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「神奈、最高の寝床はお昼ごろに出てくる。それまでちょっとこのあたりをみらいも一緒に散歩でもそないか?」
「出てくるの?」
「うん、最高の環境はお昼ごろに勝手にできあがるよ」
「わかった。どこに行くの?」
「久しぶりにここに来たし、下のおばちゃんに声かけてみようかなって。あ、家に居たいならいいけど。みらいも」
「私は行きます」
「ん。行く」
「決まりだね」
下のおばちゃん、別名ジュースのおばちゃん。なんでジュースなのかっていうと、行くといつもジュースをくれるから、という理由。下っていうのは、単純に元おじいちゃんの家のちょうど下にある家に住んでいるから。前にあったのは、私が高校入学以前だな。本当にしばらくあってないな。
「まぁ、日和ちゃんじゃない?」
「あ、久しぶりです」
「大きくなちゃってまぁ。ちょっとー、日和ちゃんが来たよ」
そう言っておじさんを呼んだ。
「おー、久しぶりだなぁ。いまはいくつになった?」
「高2です」
「もうそんな歳になったのか。早いものだな。そっちは友達かい?」
「はい」
「こんな遠い田舎の中の田舎な山奥にわざわざご苦労だったねぇ、あ、そうだこれ、よかったら」
今回もジュースをくれた。いつでもあるんだろうか。というか、少なくとも3本以上あったってことだよね。
「ありがとうございます」
「また来ておくれよ」
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