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君のことばっかりな僕の日常
朝起きると、
もう君のことを考えていた。
「……ダメだ、君に会いたくてたまらない」
歯を磨いた。
また君のことを考えていた。
トーストを齧った。
またしても君のことを考えてしまった。
「急げバカ。朝は時間がないんだぞ!」
大慌てで君のことを、
僕の中から追い出して、
朝の支度を整えた。
**
家を出た。
空を見上げた。
なんと!
僕の上の空じゅうが、君のことでいっぱいになっていた!
そして終いには、僕めがけて、君は空から降ってきてしまった!?
「逃げろ!」
君から逃げて街に出ると、今度はすれ違う人々が、みんな君の顔に見えた。
「……ダメだ、頭の中が君でいっぱいで、日常がままならない」
僕は追いかけてくる君の影から逃れるために、仕事のなかに隠れることにした。
すると仕事中でだけは、かろうじて僕を取り戻すことができた。
**
仕事からの帰り道。
僕のまわりのそこらじゅうが、とうとう君でいっぱいになってしまった!
そして僕は、君のことばっかり考えてしまう僕に、本当にほとほと困り果てていた。
この事態を解決するには、きっと君に会うしかない。
**
いよいよ君がやってきた!
するとどうだろう。
君があらわれた途端、僕のまわりを喧しく取り巻いていた君たちは、ぱったりといなくなってしまって、僕のまわりはあっという間に静かになった。
「ありがとう。君が来てくれて、本当に助かった」
もうこうなったら、もうこれしかないっ。
僕は、心から君に頼んだ。
「頼む! お願いだ!! 僕のために、どうか一緒に暮らしてくれっ」
そしたらなんと!
「 I think so too. 」
そう君は言った。
「ありがとう」
僕は、君のおかげで、日常を取り戻すことができたようだ。
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