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途中に買ったベルトもウエストに
あうように切ってもらった。
赤いセーターに赤い靴、
「これに赤い鞄はやり過ぎですよね?」
と、さっきとは違う店長さんに言った。
「鞄を出したらどうですか?」
袋に入った鞄を取り出し
「よく似合ってますよ。」
「最近、偶然が重なったり、赤い物に
縁があるんですよ。」
「僕も金色に縁があった時がありますよ。」
「その後、なんかありました?」
「宝くじで10万円当たりました。」
「僕もなにか素敵なことが起きるといいです。」
「なにかあるといいですね。」
服屋をあとにして、ブレスレットを
受け取りに行った。
かわいい感じに仕上がって気に入った。
田島から電話がかかってきた。
「今はどこにいるんよ?」
「まだイオンにおるよ。」
「まだおるんか。今夜、徳田と木村の
家で飲む話になってるんやけど。」
「まだ買い物途中だし、12時過ぎに
なるけどいいか?」
「わかった。」
電話を切って、雑貨屋に引き寄せられた。
まず目に入ったのが、モノクロで水玉の
ゴミ箱を手に取り、買うことにして、
ハートの白と赤のクッションを
買うことにした。もうこれは
るみちゃんが、俺の家に来るのを確信して
いたから買うことにした。
なぜならこんなに赤色の偶然が重なって
いたからである。なんの根拠もないのに。
もう冷静ではなかった。
買い物が終わり、徳田に電話をして、
イオンで買い物した内容を伝えたら、
「お前衝動買いし過ぎやろ!
しかも赤ばっかなんて。」
「いいんだって。似合ってるって言われたし。」
「早く帰って来いよ。」
「わかった。」
俺はコンビニに行った。
特になにも買わずに、トイレに入り、
便器を磨いた。人がしないことをする。
素敵なことが起こるように願っての
ことだ。さっきまで着ていた服を
捨てて、CDの入ったBOXまで捨てた。
もう俺の回りには新しい物だけに
なっていた。たばこを吸いながら、
回りに落ちている吸い殻を拾い、
ゴミ箱に捨てた。
そして家に帰ることにした。
家に着いたのと同時に徳田からメールがきた。
『もうお前とは付き合いきれんわ。
頼むから病院に行ってくれ。』
俺はショックを受けて、部屋に入り、
自分の行動を見直してみた。
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