曇り空

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「そ・こ・で!」 雄飛は机をばん!と叩いて言った。 「現場に行こうと思う。」 ユキ、あおい、あきらはびっくりしたような表情をした。 「は?あんた何言ってんの?現場なんて誰が探したって、見つからないよ!」 ユキが言った。 「は、なんで?」 雄飛は言った。 「私、コンビニ行く途中、見てきたけれど。気づかなかった?道、険しかったんじゃない?」 ユキは雄飛に問いを出した。 いわれてみれば、と雄飛は思った。 「私の考えだと、今この世界、危機にさらされたと同時に、マジカルワールドになったんだと思うよ。ほら、見てよ!」 ユキが手を上にさっと挙げた。 すると、どういうことか、ユキの手から炎が出てきた。 「まじ!?」 雄飛はとても楽しみでうずうずした表情をした。 あおいとあきらは、怖い!という表情をした。 「ほらね。」 ユキはにこっとした。 「私たちは、きっと魔法が使えるように転生みたいなことをしたのよ。だから、私が今使える。雄飛も、あおいとあきらも、使えるんじゃない?」 雄飛はユキがやったように、手を挙げてみた。けれど、何もおこらない。 「どうするんだよ。」 雄飛が少し怒りを抑えながら言った。 「この本を読むといいよ。」 あおいが小さい本を取り出した。 「雄飛のやり方が、分かると思うよ。ちなみに、僕とあきらはもうわかったから。」 雄飛はページをぺらぺらとめくって、試しては「だめだ」と呟いた。 「あおいとあきらはなんだったの?」 ユキが聞いた。 「やってもいいなら。」 と、あおいが言い、手をパーにし、前に突き出した。 一瞬、パチっ!と音が流れ、ドッガーーーーーーーーーーーーン!と大きな音と共に、雷が出た。 「すっご.....」 ユキは口を開けながら、言った。 「俺のほうがすごいぜ。」 あきらがふふん、と言いながら出てきた。 あきらがジャンプした。着地する、と思ったら、いつまでたっても着地しない。 「まさか.......!」 ユキは後ろを振り返った。 「大当たり!」 あきらが言った。 あきらは飛んでいたのだ。 「もう見つかった?」 ユキが雄飛に言った。 「ああ、でも今できない。」 そう言って、雄飛は立ち上がった。 曇り空の、月曜日の事だった。
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