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ほんなことないで、って光貴は何時も言ってくれるけど。でも、罪悪感あるわ。
せやから、プロポーズが疑問形でしょーもなかったのは我慢するし、もう、ええ。諦める。
漫画やゲームの乙女みたいに、甘く愛されたいって思うのも、一生無縁の女でおるわ。
ゲームやったら、イケメンがハスキーボイスで囁いてくれるから、たまにそれでキュンキュンしとくわ。光貴がプロポーズまともに言ってくれへんかったから、また好きな乙女ゲーム引っ張り出してきて、一生君だけを大切にするから、結婚しようって二次元のイケメンに言われるので、我慢しとく。
せやから一人でそーいうの楽しむくらいは、堪忍してや。
でも、光貴の事、ずっと大事にするから。
アンタも私の事、大事にしてな。
二人で仲良く、ジジババになっていこ。
そんな風に思っていたあの頃の私は、本当に子供やった。
恋愛もまともにしてこなかった脳内乙女の寒い女やったから、愛情はき違えて、光貴と結婚するなんて取り返しのつかん事、してしもーた。
でも、それが間違いやって気づいてしもた。彼を、愛してしまったから。
死ぬ程恋焦がれて、誰かを愛するって事――あの頃の私は、全然知らんかったから。
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