呪いの指輪が外れませんっ

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   (じゅん)の側に座るのは、やはり緊張するので、葉名(はな)は彼の前の白いラグに腰を下ろした。  准は何故、今、自分が此処に居るのかを語り出す。 「ひいじいさんが隠居するときに、うちのグループ内の勢力図が一変する可能性がある。  のし上がる奴も、追い落とされる奴も出てくるだろう。  世の中、実力だけで上手くいくとは限らないからな。  運とタイミングも大事だと最近気がついたんだ。  そんなことを考えていたら、幸運をもたらすと言うので、いつもなんとなく眺めていた総務のデスクのペペロミア・ジェイドを急成長させている娘が居るじゃないか」  いやそれ、たまたま、成長するタイミングだったんじゃないですかねー、と思う葉名に准は言う。 「何度か見かけたことはあるというだけの新入社員だ。  いつも笑顔で、ぼんやりしているが、不思議と周りに人が寄ってきている。  なんとなく運気が良さそうだ。  この娘を側に置いておいたら、俺の運気も上がりそうだ。  そう思ったんだ」  なんですか、その三段論法みたいなの。
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