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「やはり、手伝おう」
と言って、准は辺りにあった雑誌を棚に戻し始めた。
ああっ、おやめくださいっ、と葉名は思う。
部屋に来た、まだそう親しくもない男の人に部屋を片付けてもらうとか、私、女として、終わってる!?
と思ったからだ。
「しゃ、社長っ」
「准だ」
と准は片付けをやめずに言ってくる。
「私がっ、私が片付けますからっ。
ちょっと二、三分、お茶でも飲んでてくださいっ」
と服をハンガーにかけたりしながら、葉名は何度も振り返りながらそう言ったが。
「俺の前で格好つけなくてもいい。
そんなんじゃ、長く続かないぞ」
要領よく片付けながら、准はそう言ってくる。
いや、そんな長く通ってくるつもりなんですか……?
と心底、疑問に思い、葉名は訊いてみた。
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