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「失礼します」
と頭を下げ、社長室に入った葉名は、顔を上げた瞬間、シュッ、といきなり、なにかを吹きかけられた。
「つめたっ」
と言いながら、顔についたものを手で払うと、観葉植物用の深緑の霧吹きを持った准が目の前に立っていた。
「おい、モンキー」
とドスの効いた声で言ってくる。
……だから、モンキーやめてください、と思っていると、
「イケメンと食事に行ったってどういうことだ?
俺は此処に戻って、せっせと働いてたのに。
お前は他の男と食事に行ってたのか?」
と霧吹きを銃のように構え、こちらに向けて言ってくる。
「いや、違いますよ……」
そもそも、貴方のために、運気の上がる観葉植物を訊いてあげようと思っただけなんですが、と思いながら、一緒に店に入った経緯を告げたのだが、准は、
「いや、その男はお前に気がある」
と言い出した。
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