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「ファストフードなら、軽く誘えるし、警戒もされないもんな。
話の流れで一緒に食べることも可能だし。
上手くいかなかったら、じゃあ、自分も持ち帰りで、とか、さらっと言って、相手に警戒心を抱かせることなく、話を終わらすこともできる」
ま、確かに流れで、スルッと一緒に食べてしまったな……と思った葉名ではあったが。
そんなことより、
「まあ、俺でもそうするからな」
と言う准の一言の方が気になった。
何処の女にそんなことしてやがるんですか、と思ったからだ。
その気配を感じた准は、
「いや、お前とたまたま知り合ったら、俺ならどうするか想定してみただけだ」
と言ってくる。
「俺の好みではないが、お前は美人だからな。
知り合ったら、ちょっとラッキー、くらいの」
「あの……その程度の好意しか抱いてないのなら、もう言い寄らないでもらえますか?
っていうか、その程度なのに、キスとかしないでください。
私、初めてだったのにっ」
と思わず、昨日からの不満をぶちまけると、
「初めてだったのか」
と真顔で驚かれた。
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