4人が本棚に入れています
本棚に追加
「突然死の直後って、ああなるのよ。だから自分が死んだことがなかなか理解できない」
「オレ達から説明しちゃダメなのかよ?」
「前にも言ったと思うけど、ムリよ。美羽は結構頑固者だし、自然と諦めるように促すことしかできないわ。その上で、改めて説明した方が一番平和的よ」
「はあ…。面倒な同級生だな」
「それを言うなら雨流だってそうじゃない。とっくに旅立てるのに、いつまで学校に来てんのよ?」
「地縛霊になった摩耶に言われたくない。つーか先生まで何だよ?」
「ワシは先生、だからな」
雨流は頭をかき、深く息を吐いた。
「ったく…。アイツの周りに声をかけるヤツがこんなにいたら、諦めるまで時間がかかりそうだな」
「まっ、根気強く付き合ってあげましょうよ。どーせ他にやることなんてアタシ達にはないんだし」
「…だな。せめて成仏する時は、一緒にいてやるか」
三人はそろって夜の街を見た。
―今こうしている間にも、美羽のようなモノが生まれていることを感じながら…。
【終わり】
最初のコメントを投稿しよう!