ルアン 高1のときのある日

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二人がラーメン屋に着いたとき、そこは混み始める一歩手前だった。 二人はカウンター席に座って、注文をした。 そして注文品が来て、ルアンが暗鬱な気持ちでラーメンを食べているとき、岩田はいよいよその話題をルアンに告げた。 「ってかさー、ルアンってモテるじゃん。女子の連絡先もいっぱい知ってんだろ?誰か紹介してくんない?」 ルアンは、岩田が自分に連絡を取ってきたのは、結局これが目的だったのか、と思った。 そして漠然と、黒崎ならこんなことは言わないのに、と思った。 「いやそんな知らねぇし……」 「嘘つけ、あんなにモテて、知らねーわけねーだろ!」 「興味ねぇし……」 「あれか、不自由してないから分かんねぇんだろ!やっぱモテるやつは違うよな~」 「そんなんじゃ……」 ルアンにとっては、どこにいても人目を引き、じろじろ見られ、こちらの状況に関係なく声をかけられることは、忌むべきことですらあった。 だが、世の中には、それをモテるといって羨ましがったり、ましてやそのことを妬んだりする者もいて、ルアンはそのために、生きづらさを増していた。 ラーメン屋は段々と混雑してきていた。 二人がそんな話をしながらラーメンを食べていると、 「ガイジンがこんなとこで、ちんたら食ってんじゃねえよ」 ふいにそんな暴言が飛んできた。
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