2人が本棚に入れています
本棚に追加
二人がラーメン屋に着いたとき、そこは混み始める一歩手前だった。
二人はカウンター席に座って、注文をした。
そして注文品が来て、ルアンが暗鬱な気持ちでラーメンを食べているとき、岩田はいよいよその話題をルアンに告げた。
「ってかさー、ルアンってモテるじゃん。女子の連絡先もいっぱい知ってんだろ?誰か紹介してくんない?」
ルアンは、岩田が自分に連絡を取ってきたのは、結局これが目的だったのか、と思った。
そして漠然と、黒崎ならこんなことは言わないのに、と思った。
「いやそんな知らねぇし……」
「嘘つけ、あんなにモテて、知らねーわけねーだろ!」
「興味ねぇし……」
「あれか、不自由してないから分かんねぇんだろ!やっぱモテるやつは違うよな~」
「そんなんじゃ……」
ルアンにとっては、どこにいても人目を引き、じろじろ見られ、こちらの状況に関係なく声をかけられることは、忌むべきことですらあった。
だが、世の中には、それをモテるといって羨ましがったり、ましてやそのことを妬んだりする者もいて、ルアンはそのために、生きづらさを増していた。
ラーメン屋は段々と混雑してきていた。
二人がそんな話をしながらラーメンを食べていると、
「ガイジンがこんなとこで、ちんたら食ってんじゃねえよ」
ふいにそんな暴言が飛んできた。
最初のコメントを投稿しよう!