ルアン 高1のときのある日

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ルアンは揺らいでいた。 岩田の言うように、こんな頭にしているから、不快なことに巻き込まれるのだと。 「先輩らしいです」 しかし、有川は、純粋にそう言って笑った。 その顔は、可愛らしかった。 「あぁ、まぁな……」 そして、ルアンは、いよいよ本題に切り込んだ。 「……お前のそれは、検査でやられたのか」 「そーなんですよ、先輩いなくなったら一人になっちゃって~。マジ最悪です」 しかし有川の口ぶりは、意外にも、深刻そうではなかった。 「絶対訴えたら勝てますよね~。人権侵害ですもん。っていうか、さっき一緒にいた人とはもう別れたんですか?」 「あぁ」 「じゃあ、ちょっと付き合ってくださいよ」 と有川と話している間にも、二人に視線が集まるのを、ルアンは感じていた。 自分の容姿と、有川の見た目と喋り方のギャップが人目についていることには、気が付いていた。 「これから雑貨屋さんに行こうと思ってたんですけど、こんな格好じゃ一人で入りづらくてぇ~」 「俺とでも大差ねぇだろーが」 「先輩がいると、誰かのプレゼント選んでるのかなって思われるから大丈夫です」 「あっ、そ……」 と言いながら、ルアンは周囲からの視線を避けるように、有川を雑貨屋へと促すようにさりげなく歩き始めた。
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