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「いま使ってるポーチが壊れちゃったんですけど、それが~」
有川の他愛もない話は、ルアンの様々な暗い感情を多少和らげた。
話をしているうちに、二人は駅の中にある雑貨屋に着いた。
有川は女子の持ちそうな小物を物色し、
「あっこれ可愛い」
などと、はしゃいでいた。
しかし、色々な商品を目にして、手に取り、他の女性客とすれ違っていくうちに、みるみるうちに有川のテンションは何故か下がって行った。
そうして、ついには、青ざめた顔になり、
「……すみません、気分が……」
と、いまにも倒れそうに、ルアンに寄りかかった。
ルアンがどうにか駅のベンチまで有川を運ぶようにして連れていくと、有川はひどく体調の悪そうに、そこに座り込んだ。
「何か飲むか」
「……水を……」
有川は、青い顔をして、低い声でそう囁いた。
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