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私が産まれて来たのは、埼玉県の裕福な一軒家でした。お父さんは青いインコ、お母さんも青いインコなので、私は二人の遺伝子を引き継いで綺麗なブルーのインコとしてこの世に生を受けました。兄弟はお兄さんとお姉さんがいました。二羽共、いえ、私を含めた三羽はよく似ていて、飼い主の人間達は私達を間違える事が多くあり、人間達(その中でも子供)は私達をとても可愛がってくれました。
「三羽とも飼いたいが、家も手一杯なので、人に譲る事にしよう」
ある日、人間達の中でも一番偉い人がそう言いました。その人は子供達にお父さんと呼ばれていた人です。
「えー。僕達が飼いたい」
嬉しい事に子供達は猛反対でした。私も何処の誰やら解らない人の所へは行きたくないので、一生懸命
「ピー。ピー。ピー。ピー」と鳴きましたが、お父さんの心には届かったようです。
「会社の事務の女の子がインコが飼いたいって言っているんだ。お母さん、その子に譲ってもいいかな?」
「いいですよ。一匹で良いのかしら」
「ああ。この子にするか」
お父さんは私の事を撫でながら持ち上げ、
「こいつにしようかな。可愛い女の子に飼われるぞ」とお母さんと呼ばれる人に言いましたが、私は憂鬱な気持ちになりました。産まれて二か月で両親とも兄弟とも引き離されるのが怖かったからです。
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