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「おかえり、イリス。今日はマノンも一緒なんだな。」
「ただいまです。ソーマ、今日は早かったのですね。今日はマノンもここに泊まるので、今後の話をしましょう。」
「今後の話?」
「ええ、驚かないでくださいよ?実はマノン、今日でポーターに転職できたんですよ。」
「おお!それはすごいな。」
「えへへ、頑張ったのです。」
マノンは耳をパタパタしてうれしそうだった。
「しかし、もう専門職になれたのか。ずいぶん早いんじゃないか?」
「ええ、必要なスキルを優先して取っていきましたからね。それでも早いほうなのでサーニャもすごいって褒めていましたよ。」
「ポーターとしてお二人のお役に立てるように頑張るのです。」
「そうか、ありがとな。…そういえば、俺からも二人に渡すものがあるんだ。気に入ってもらえたら良いんだけど。」
俺は仕上がった短剣を取り出して二人に渡した。
「これは、ソーマの手作りですか?ありがとうございます!」
「マノンにも頂けるのですか?とても嬉しいのです!」
「エチャントのスキルも覚えたから、魔剣を作ってみたんだ。魔力を込めると炎が出るから扱いは気をつけてくれ。」
「ソーマは魔剣も作れるようになったのですか。すごい成長ですね。今回は装飾もきれいにしていますね。」
「デザインも使いやすくて可愛いのです。」
二人は短剣をまじまじと眺め、嬉しそうにしていた。
「一応俺の分も作ったから、三人でお揃いだな。」
俺は自分の分も取り出してみせた。
「お揃い…とっても仲良しみたいで嬉しいのです。」
「そうですね、一気にパーティーって感じが増しますね。」
「そんなに気に入ってくれたなら、俺も頑張って作った甲斐があったよ。」
想像以上に気に入ってもらえたようでよかった。
使い心地を試してみると、二人は外に出ていった。
「気に入ってもらえてよかったですね。」
「はい、自分が作ったものを、ああして喜んでもらえるのは、自分も嬉しい気持ちになりますね。」
キッチンから顔を出したリックはニッコリ微笑んだ。
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