遠出はお好きですか

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夜。俺の部屋にイリスとマノンがやってきた。 「遠出のクエストに行きましょう!」 開口一番にイリスが言った。 「遠出ってどの辺りまでだ?」 「リスタントから北上して、王都とのちょうど中間地点に森があるのですが、その辺りまで討伐クエストをしに行きませんか?マノンもポーターになったので、素材収集もたくさんできますし。」 「マノンも頑張るのです!」 二人共やる気満々だった。これは断ろうにも断れない勢いだ。 「結構な距離になりそうだな。しっかり準備して行かないと。んで、いつから行くんだ?」 「明日ですよ?」 「…まじか。」 「マジです。」 「…まぁ、いいか。おれもずっと工房にいたから、身体を動かしたいと思ってたしな。」 「では、決まりですね。今日ギルドでいくつかクエストを見てきたので、どのクエストを受けるか一緒に決めましょう!」 イリスはバラバラとクエストのビラをひろげて見せた。どのクエストもそれなりに報酬が高く設定されていた。 「おいおい、これ大丈夫なのか?わりと難しいんじゃないのか。」 「…3人なら大丈夫です。高額ですが、それほど難度は高く無いはずです。」 俺はマノンの方をじっと見つめる。 「マ、マノンはイリスが大丈夫と言っていたので大丈夫だと思っていたのです。」 「…はぁ。ま、無理そうならリタイアすればいいし、やってみるか。」 「そのいきです!さすがソーマ、話がわかりますね。」 おそらく、これらは誰も手を出さそうにないクエストばかりなのだろうが、仕方ない。 その後、3種類のクエストを請け負うことに決めた。遠出の準備を朝早くから行い、昼頃に町を出ることにした。 イリスはマノンを連れて自室へと戻っていった。二人共楽しそうだった。この数週間行動を共にしたおかげなのか、マノンもイリスにすっかりなついている様子だった。 「遠出か。」 おれは軽い遠足に行く気分でちょっとワクワクしていた。
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