遠出はお好きですか

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朝になり、いつも通り稽古を済ませた。毎日続けていたリックとの稽古も少しお休みになるな。朝食を食べ、そして市場に出かけた。 「旅支度って何したら良いんだ?」 「そうですね、食料と回復薬、後は野宿になるので防寒用の寝具ですかね。現地調達できそうなものは必要ないでしょう。…その前に、マノンにポーター用のリュックを買わないと。」 「ポーター用って、あのばかでかいリュックか。考えてみれば、マノンが俺たちの荷物も持つことになるんだよな。その、大丈夫なのか?」 「はいー。これでも力には自信があるのです。それにポーターのスキルでステータスも底上げされているのです。」 「ポーターは職業の中でも特殊で、覚えないスキルのスキル枠を食いつぶして、肉体強化のステータス向上スキルを身につけることができるんですよ。今のマノンはソーマなんかよりずっと力持ちですよ?」 「へぇー、使わないスキル枠ってそういう使い方されたりするのか。じゃあ、安心して任せられるな。」 「はい!マノンを頼ってほしいのです。」 まず、防具屋でマノンにリュックを買った。イリスは人が数人入れれそうなばかでかいやつを選んで買った。その後、防寒用の毛布と、回復薬、最後に食料を買って、準備が整った。マノンが食料に早速手を付けそうだったので、余分に食料は買って、道中で食べてもらうことにした。 「これで全部か。…よし、それじゃあ行くか!」 「そうですね、予定より早く買い物も済みましたし、早めに出発しましょうか。」 「はいなのです!」 俺たちは北にある森に向かってリスタントの町を出ることにした。 王都から、リスタントの町までは、商人たちが長年通って自然に出来た道があるので、森付近まではそれを通ることにした。町付近ではモンスターが出ることはほとんど無いが、離れれば離れるほど、モンスターも出てきやすいらしい。まだ大丈夫なんだろうが、油断はできない。 「もぐもぐ。…おいしいのです。」 マノンは歩きながらパンを食べている。 「森付近まではどれくらい歩くんだ?」 「早めに出たので、夕方くらいまでには、森の入り口前の草原にたどり着くと思います。今日はそこで野宿の予定です。」 「なるほど、草原なら見晴らしがいいから夜も見張りがしやすいな。」
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