226人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫でしたか?」
「ああ、なんとかな。しかし、マノンはすごい力だな。カブトの突進を正面から受け止めるなんて。」
「はいなのです!少し痛かったですが、問題ないのです。」
「ソーマの作った短剣の威力も中々ですね。おかげで楽に倒せましたよ。怪我の方は大丈夫ですか。」
「ん、まだ少し痛むがちょっと休めば問題ないだろ。討伐目標は何体だっけ?」
「合計で10体ですので、残りは7体ですね。この先を進んでいけばさっきと同じ様に鎧カブトが襲って来ることでしょう。気をつけて進みましょうね。」
カブトの残骸から取れる素材アイテムを収集してから、更に奥に進んだ。森の中では迷子にならない様に、所々で目印を付けながら進んでいた。
しばらく歩いても、索敵に敵は引っかからない。モンスターの数が少ないのだろうか。
「この森ってそんなにモンスターがいないのか?」
「そんなことはないはずなのですが、予定よりも遭遇しませんね。もしかしたら、王都を拠点にしている冒険者が討伐した直後なのかもしれません。」
なるほど、王都とリスタントの中間地点ということは、王都の冒険者もここは討伐地点になることもあるわけだ。王都の方で発注されたクエストと競合してしまえば、こんなこともあり得るのか。
「討伐目標数に達しなかったら、クエスト失敗になるんだよな。」
「はい、その場合は討伐数に応じた報酬が支払われますよ。だから無理せず、できるだけッ討伐しましょう。」
「…おなかがすいたかもしれないのです。」
お腹をさすりながら、マノンは元気なさそうに言った。
「先に弁当食べて良いぞ。マノンにはさっきみたいに力をだしてもらわないとだしな。」
昼食にはまだ早いのだが、弁当(焼いた肉)を食べるように勧めた。マノンは喜びながらリュックをあさり始める。やっぱり食料が心もとないから、何か食えるものも探さなくては。
少し開けた場所にでた。索敵に反応もなかったので、少し休憩することにした。
「日が傾く前には森を出たほうが良いのか?」
「そうですね、夜のほうが獣のモンスターは活発に活動します。群れに遭うと厄介ですし、そうした方が良いでしょう。」
「もぐもぐ…獣のモンスターは食べれるので倒したいのです。」
「マノンは相変わらずだな。なんか緊張感がほぐれるよ。」
最初のコメントを投稿しよう!