遠出はお好きですか

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ダイナマイトも牽制程度の効果しか得られなかった。やはり足の速い敵には、向いてないか。 イリスのマノン、そして自分に支援魔法をかけ、森の出口までひたすら走る。 そういえば、こんな経験前にもあったぞ。 「こいつら森の外まで追ってくるのか?」 「ハァ、ハァ…その可能性もあります。でも足を止めるわけにはいきません。」 「お肉です!やってしまうのです!」 「マノン!ちょっとは自重しなさい!」 1人やる気マンマンのマノンも、一応は止まらず付いてきている。さて、どうしたものか。 森の入り口付近まで戻ってきた。突然、狼の群れの足が遅くなった。 「?なんか追って来なくなったぞ。」 「!ソーマ!前です!」 後方を見ながら走っていた俺に、イリスが叫ぶ。 前方を見ると、巨大なカマキリが、鎌を振り上げていた。 「うぉっと…あぶねぇ!」 すんでのところで振り下ろされた鎌を避ける。 「こいつ、居合いカマキリか?」 「そうです!手強いですよ!」 後方の方にも、もう一体居合いカマキリがいて、狼の群れに遅いかかっている。狼たちはカマキリに気づいて、俺たちを追うのを止めたようだ。 カマキリを挟み、俺は二人と分断された。カマキリを俺の方を見ている。狙いは俺か? 「二人とも、俺がこいつを引き受けるから、迂回して森の入り口まで逃げろ。」 「そうしたかったのですが、それも難しくなってしまいました。」 イリスとマノンの後方の茂みから、もう一体のカマキリが顔を出してきた。 「二人がかりでなんとかなりそうか?」 「わかりませんが、やるしかないでしょう。」 「やってやるのです!」 居合いカマキリは、この森のモンスターの中でも強敵と聞いていた。二人の心配もそうだが、まずは自分からだ。
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