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キャロルはすぐさま倒れているリーディの傷の様子を診ている。
そして懸命に治療を開始した。いつも癒しの呪文を唱えるときに、
静かに穏やかな聖なる光を湛えているキャロルが…とても険しい顔で、リーディにできる限りの光を与えている。
どうやらメイの思惑の通り、リーディの状態は芳しくないようだ。
メイは頷くとステラの方へ駆け寄る。ステラのそばにはすでにコウがいて診ている様だ。
「コウ…ステラは?」
コウは脈を取りながら、頷き言った。
「爆風により火傷と打撲を受けているけど…傷は大したことはない。ただ、相当気力体力を消耗してるね…。」
そう言って彼はステラを抱き上げた、気を失っている様だがどうやら無事ではあるようだ。
そして彼はメイを見て、心配気に言った。
「姉さん…姉さんこそすごい傷…」
「あたしは大丈夫…でもさ、やられたよ。魔性に、一筋縄じゃいかないみたいだね…」
メイはクスリと微笑み、気を失っているステラを見つめた。
「あんたもすごい奴の血筋なんだね…改めて思ったよ。」
その後、あまりの恐ろしさで外に出られなかった店主が、担架を持ってやってきて、急いでリーディを部屋に運んだ。ステラはコウに抱きかかえられてベッドに寝かされ応急処置を施された。
しかし問題はリーディだった。キャロルの治療がなかなか功を奏しない。
―リーディは大丈夫だろうか…そしてキャロルも…。
コウは、リーディはもとよりキャロルが相当の気力を振り絞って治療している姿を見て、
キャロルの身体も持つか心配をしていた。
―こんな必死の形相のキャロルを見たことがない…。
エストリアの姉弟は、ただキャロルの力を信じて、祈るしかなかった…。
身体が…あちこち痛い。手足が気怠く、重たい。
私は気が付いたら寝台の上にいた。
再び瞼を閉じると、また意識が飛びそうになった。
でも今回は、憶えている。自分が何をしたのかを。
私が今寝ている寝台に、コウが突っ伏して寝ている。
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