第七章 再覚醒

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その寝台には、私が刺した、「彼」が横たわっていた。その光景を見た瞬間、心臓が沸騰しそうなほどバクバク鳴る。 そしてその寝台の方へ近づき、そっと燭台の光を当てて…覗き込む。 リーディの顔の血の気が、無い。…私、やはり取り返しのつかないことを…!!! …燭台を持った手が震える。私は脚の力が抜けてへなへなその場に崩れ落ちた。 「なんて…ことを…」 すると、扉の開く音がした。 「ステラ…?」 メイが、水を張ったたらいと綿布を持って部屋に戻ってきたのだ。 「ダメだよ、あんた。まだ寝てないと…」 「メイ…!!」 私はたまらずにメイに抱き付いた。 「私…私…!!」 泣きながら抱き付いた彼女の身体に触れると、幾重にも包帯が巻かれた感触。 ―私の、生ぬるい精神のせいで…。 悔やんでも悔やみきれず、私はそのままメイをそっと抱きしめた。 「落ち着きなって。」 メイはぽんぽんと、軽く私の背中を叩き、言った。 「あんたは無事でよかったよ。」 「ごめん…ごめんね…!!」 謝罪の言葉だけじゃすまされないのに…。 「ああ。私は平気だよ。それよりも…」 メイはテーブルにたらいを置いて、心配げにはす向かいの寝台に目をやる 「峠は越えたって、キャロルはそう言って気力限界まで頑張ってくれたようだけど…」 ―まだ目覚めない…。 私は再びはす向かいの寝台の方へ駆け寄る。 キャロルの憔悴しきった寝顔。いつも柔らかく微笑んでいるキャロルが…見た瞬間胸が詰まる。 ―こんなにまでなって…。 私はキャロルを優しく抱きしめた。 すると、キャロルが気が付いたようだ。静かに目を開けて、私を見つめる。 「ステラ…?」 「ごめんなさい、キャロル…寝ていて?」 「ステラ…リーディはまだ目覚めない…?」 私は頷いて、再び涙を目にいっぱい溜めて答えた。 「ええ…。」 「私も頑張ったけど…もう気力の底をついたの…。あとは彼の生命力次第だわ…。」 キャロルも少し泣きそうな顔で、微笑んだ。 「……。」 彼の白い顔が、いっそう血の気が引いて白い。 私は、どうすれば…? 泣いてばかりではいられない。 自分は寝ていたせいか、気力はちょっと回復しているのを感じる。もしかしたらリーディの生命を立て直す手助けくらいの気力なら…魔法の苦手な私。でも、覚醒した時のあの感覚。いつもなら記憶が無くなっていたけど、今回は憶えている。
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