第七章 再覚醒

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何度か彼女は魔性に襲われそうになっても、マレフィック・ミックスの力が覚醒して、魔性を撃退していると。メイとコウはまだステラの覚醒後の力を見たことがなかった。  まさかその力を恐れて記憶だけ抜き取ったのか?闘いのたびに力が覚醒すると魔性でさえ 優位には経てなくなるから…しかし、それだけだろうか? そもそも、魔性はまだ余力もあるのではないかと…コウは考え込んだ。 するとメイがこう話しかけた。 「でもさ…ステラはともかく、リーちゃんも昔国を魔族に襲撃されたってわけじゃない?何であたしたちは今まで平和にのほほんと暮らせてきたんだろうねぇ…。」 ―それはおそらく彼が一国の王子だったのも大きいだろう。たぶん…。 と、コウは姉のその問いに心の中で答えた。そして姉の瞳を見て切なげに、代わりにこう答えた。 「僕たちはただステラの記憶が戻ることを祈るしかないなんて」 ステラは頭痛が治まってから目の前の彼を見た。 この人は必死に私の記憶を呼び起こそうとしている。でも、どうしても憶い出せない…。 そしてリーディは彼女の瞳を見つめかえした。 昨日の夕暮れの告白時の彼女と違う…ぼんやりした視線。 ―あの力強い眼差しをもう見ることはできないのか? 彼女にはもう自分の意思がほとんど無い感じがするし、何者かに心が支配されているような妙な不安定感がある。それに、先ほどの様に彼が彼女に触れようとも何も反応がなく、不思議そうに自分を見るばかり。 畜生…!! リーディはやるせなくなった。 俺の好きなあいつは、気が強くて勇敢で、物怖じせずに敵に立ち向かう、そんな女だ。 そして懸命に考える。自分が操られた父親に襲われた時は…どうだったか? どうやって父は正気に戻ったか…?? そうだ…彼女にとって何か衝撃的な出来事が起こらない限り、もしかしたら無理かもしれない…。
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