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 祐吾が必要以上に大きな声で驚いた。  うるさいよ、と真央が笑う。 「いや、友達から噂で聞いただけなんだけどね」と僕は付け足しておく。 「ひえー、まあ、若くて美人だからモテるだろうしなぁ」と祐吾が呟いた。 「あれ?」  真央のそんな声に、僕と祐吾は、同時に彼女の方を向く。 「そういえば、なんで木野先生の話になったんだっけ?」 「いや、だからシャワーと雨がどうとかいう話を、真央がし始めたんだろ?」  祐吾が真央を指さしながら言う。 「そっかぁ。でも、なんで私そんなこと思い出したんだっけ?」 「それはあれだよ。風呂に入るとき、祐吾が湯船派で、僕と真央がシャワー派だって話をしてたから」 「そっか! やっと記憶がよみがえった~」  自分たちの会話があまりにもくだらなすぎて、僕は笑う。右のほうを見ると、真央と祐吾も、楽しそうに笑っていた。  涼しく澄んだ秋の空気が、僕たちを包んでいた。  僕たちは、いつも同じ順番で横並びに歩く。  左が僕、中央が真央、一番右が祐吾だ。三人で歩くこの帰り道が、僕はとても好きだった。 「でも、モテるって言えば、木野ちゃんだけじゃないよねー」と真央が言った。     
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