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対談相手は…、天宮 怜斗。
中高一貫校時代の同級生で、わたしが手がけるストーリーの邦画やドラマなどの主題歌が彼が起用される事が多い。
わたしの手がけるストーリーに彼の曲調が合うからかもしれない。
中学1年生の頃から、6年間付き合った彼氏だからね。
わたしの事を、1番、よく知ってると思う。
怜斗と会いたかった。
そして、話したかった。
でも、別れた、関係。
たぶん、怜斗には、新しい恋人がいる。
そう思うと、彼と会うのが怖くなった。
だから、スタジオ入りをギリギリにした。
怜斗と対談以外で話す事にならないように。
対談にはアナウンサーが立ち会う。
何を聞かれるかわからないから怖い。
中高一貫校の同級生というのはプロフィールを見たらわかる。
わたしと怜斗が付き合っていた事も、風の噂程度には知られてる。
気が重い中、覚悟を決めて、スタジオ入りし、スタッフに挨拶をする。
怜斗は売れっ子アナウンサーと笑顔で話をしていた。
インタビューで聞かれる内容が書かれた紙を渡され、目を通す。
やはり、中高一貫校時代の事が聞かれるようだった。
わたしと怜斗が描く文章が似ているところから、中高一貫校時代の同級生だから、お互いの印象を話すらしい。
さすがに、これは、怜斗と打ち合わせをした方が良い気がした。
でも、売れっ子アナウンサーと楽しそうに話をしてる怜斗に近づきたくない。
中高一貫校時代の怜斗は、男女問わず誰ともすぐ打ち解けて、場を明るくした。
女子ともよく話してた。
あの時は、気にならなかったのに…。
東京に出てからは、違う場がわたしが見知らぬ女子と仲良くしてたから、嫉妬してしてしまってたんだ。
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