第2章 変わりゆく愛しい人 side 彩花

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「Just be friends 、ただの友達に戻ろう。 中高一貫校時代に、わたし達が付き合っていた事は風の噂で、ネット上に上がってるけど、今のわたしたちには当てはまらない。この対談で、Just be friends All we gotta do。わたし達はただの友達として、今の2人がある事を、公にしたい。15分のインタビューだから、話せる時間は限られてる。その中に、この内容だけは、入れ込みたい」 怜斗に、わたしは言った。 怜斗は頷いた。 スタジオの準備が整い、収録が始まった。 ドラマの内容が高校を舞台で繰り広げられる謎解きドラマなだけに、わたしと怜斗の中高一貫校時代での関係は自然と聞かれた。 『中高一貫校時代に付き合っていた時期もありました。でも、今は、Just be friends 、ただの友達です。友達と言っても、お互い、仕事で絡みはありますが多忙なので、2年ぶりに再会しました』 怜斗は、わたしが言った、通りに話してくれた。 売れっ子アナウンサーが、 『じゃ、再会して、また、焼け木杭に火がつくみたいに、熱愛になるとか、ありますか?』 と、対談で聞いていい話じゃないでしょと、売れっ子アナウンサーに腹を立てつつ、 『Just be friends All we gotta do、わたしたちがしないといけないことの全ては、友達になるという事、それだけです。仕事での絡みはあっても、あの時の関係に戻る事は無いです。仕事のパートナーとして、良い作品を一緒に作っていきたいと思ってます』 わたしは、自分の心の傷をえぐりながら、なんとか言い切った。 わたしと怜斗は、2度とあの関係には戻れない。 せめて、友達に戻り、仕事のパートナーとして繋がっていたいと思った。 わたしは、昔流行ったポカロの名曲を比喩って、なんとか、この対談を乗り切った。
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