第4章 共に手がける作品 side 怜斗

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着いた場所が俺のマンションで、警戒している彩花。 腕を引っ張って、連れて行く。 アーティストをしてると、人目のある所ではプライベートな事は話せない。 すぐに、ネット上にあげられる。 プライバシーなんてない。 俺と彩花の中高一貫校時代の事も、同級生の誰かがネタとしてあげた。 事実の事で、中高一貫校の俺と彩花の歩みを振り返る事ができ、許しがたい事だが、それを見て癒されてる俺がいた。 彩花を連れてきたはいいが、家の中は荒れ放題だった。 アーティストをしつつも、T大での学びを最優先させていた俺。 アーティストはいつまでも続けられる仕事ではない。 情報工学の分野に進み、IT関連の会社を起業する。 それが、俺の将来の夢。 リビングにはIT関連の資格の本がやまのように置かれ、床には衣類が散乱している。 ま、このマンションに女を連れ込んだ事はない。 だから、見られてまずいものはない。 女遊びは、彩花と別れてからの半年間しか、してない。 他の女と付き合っても、他の女と彩花の違いに目が行き、彩花以上の女なんていないと気付かされ、長続きもせず、ただ、虚しくなるだけだった。
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