第5章 時間を共に過ごす side 彩花

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中高一貫校時代、毎日、わたしのと怜斗分のお弁当を作っていた。 共稼ぎ夫婦の娘で鍵っ子だったから、小学生中学年ぐらいからクックパッドを見ながら料理をするようになった。 冷凍食品やコンビニやスーパーのお弁当の味に飽きたのもある。 後、食材と調味料と調理方法で色んな味になる料理が楽しかった。 わたしの創作意欲は、ここから始まったのかもしれない。 小学生の頃、1人の時間を楽しむために、時間を忘れて本を読み漁ってた。 中学生になってからも、暇さえあれば、本を手に取り、読んでた。 小学生の頃と違い、中学生になってからは学校や放課後に常に怜斗が側にいてくれた。 孤独じゃなくなった。 でも、大学で東京に出てからは、近くにいても会えない日々によるすれ違いで、怜斗は裏切り行為なんてするはずないのに、わたしは嫉妬し、それで、怜斗はわたしと付き合う事に疲れて、別れを選択した。 怜斗を悪く言ってたけど、わたしにも落ち度はあった。 今まで、その事に気付かなかった。
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