最終章 2度と手放さないで side 彩花

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出遅れもなく、音外しもなく、最高の歌唱力で歌い切った。 会場は大声援で、最高の演出ができたと思い、ほっとした。 怜斗の方を見る。 怜斗も最高の笑みを浮かべていた。 ファン音楽祭は、無事にフィラーレを終えた。 わたしと怜斗の10日間の生活も終わる。 怜斗の家に間借りしている部屋、昨日の夜のうちに荷物をまとめた。 土鍋とIHコンロはあっても困らないと思うから、置き土産に怜斗の家に置いておく事にした。 怜斗と、キムチ鍋とモツ鍋とすき焼きを、した。 熱々の鍋を2人でつっついて食べるのは、楽しくて、そして美味しかった。 今日は、自宅マンションに帰ろう。 そして、明日、荷物を届けて貰おう。 生放送が終わった。 わたしと怜斗の仮恋人も終わった。 怜斗と、プロデューサーや大物歌手に挨拶をし、大物歌手を見送った後、怜斗とタクシーに乗る。 怜斗のマンションに着いた。 怜斗が降りる時に、わたしは運転手さんに、わたしのマンションの住所を伝えようとした。 そしたら、怜斗が運転手に万札を渡し、わたしの手を引き、タクシーから降りた。 そして、わたしの手を引いて、マンションの中に入っていく。
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