第1章 別れてもお互いの存在が気になる side 彩花

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大学2年の夏、怜斗がメジャーデビューを果たした事を情報番組で知った。 テレビに映る怜斗はますますかっこよくなっていて、歌も上手になっていた。 なんの曲を歌うんだろうと思ってたら、彼は、わたしが手がけたシナリオのドラマの主題歌を歌っていた。 怜斗はわたしが手がける小説の言葉遣いの癖を知ってる。 だから、主題歌はドラマに良く合ってた。 怜斗は、わたしの描く言葉遣いをいまだに覚えてる。 それが、わたしは嬉しかった。 わたしはドラマの撮影に入る前のシナリオで仕事に携わっただけだったから、まさかわたしが手がけたシナリオのドラマの主題歌を怜斗が歌うなんて思ってなかった。 もし、別れてなかったら、共演だと、手を取り合い喜んでたかもしれない。 怜斗の事を考えない生活をしていたのに、こうやって、接点があったら、忘れたくても忘れられなくて、歯がゆかった。 テレビを切ればいいのに、歌ってる彼を見て、懐かしがってるわたし。 そんなわたしが、アホだと思った。 怜斗の活躍を毎日チェックしてるわたしは、どうやっても怜斗の事が忘れられなかっ。 別れてから、1年も経ったのに。 怜斗の活躍が嬉しかった。 別れても、怜斗のことを好きなわたし。 わたしは、怜斗の隠れファンをしてると思う事にした。 そして、わたしも、怜斗がしてるよう、楽曲制作ができる高機能のパソコンを買って、自分でも曲を作ってみる事にした。
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