第六章 君を探すよ 三

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 同僚の彼女は、一平に結婚の話を確認しようとしていた。亮平は慌てて、一平が出張の時に彼女に連絡を取った。すると、彼女は仕事を早退して会いにきた。その時、鍵を無くした事に気付いたようだが、会社に預けていた合鍵を使用していた。 「彼女と話し合うつもりで呼び出したけれど、当然、激しく非難された」  そこで、亮平は彼女を殴ってしまい、訴えると言われた。もうダメだと逆上した亮平は、彼女を更に殴り、失神させたうえで海に車ごと落としてしまった。 「どうしてなのか、ポケットに車の鍵が入っていた」  途中、亮平が運転していたので鍵を預かっていたらしい。でも、鍵を見ると、自分のしてしまった罪の重さに押し潰されそうになった。家に帰った亮平は自首しようと覚悟を決めたが、精神的に疲れてしまっていた。その為、仮眠してから行動しようと、亮平は鍵を机の上に置いて眠ってしまった。しかし、朝になると鍵が消えていた。 「あ、会社のホルダー付きの鍵があったから、俺が間違って鍵を持ち帰ったかと思って、会社に戻した……」  このまま黙っていれば、誰も気付かない。そう亮平は思い始めたが、咲楽があれこれ調べ始めてしまった。     
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