第五章 君を探すよ ニ

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 何て厄介な存在なのであろう。 自分の事ながら、溜息をついてしまう。 人のエネルギーを勝手に使い成仏システムを稼働させている。 しかも、多分、システムに組み込まれた人々は、無意識の内に他者も引き込む。 そして、新悟の思考が混じるならば、孤独よりも死を選ぶので、システムを 抜けようとする者に死を与えてしまう。 それは、一面では正しい事で、そして悪でもある。 「……面倒くさいシステムだな……だから、安易に止められないのか」  もう、このまま放置するのが一番楽なのかもしれない。 「まあ、それが真実で、知られたくない者も多かった」  それに俺が眠っていたので、黒羽の影響が大きく出ていて、無に帰ろうという 意識が強まっているらしい。
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