第五章 君を探すよ ニ

17/27
前へ
/309ページ
次へ
「俺は、もう長くない気がするけど、成仏でもいいよ。絶対に死保に行きたくないしね」  久住は自分の寿命を悟ったという。 「もしかして、久住さんは、死保の敵になったので、余計にここから出られないとか」  俺は又、まずい事をしてしまったのではないのか。 「いいや。平気。黒羽の読み通りに、多分、どこの組織も手出しできないよ」  久住は、俺が訪ねてきた理由も察していて、織田に電話を掛けていた。 「さて、出かけるか……」 「いや、明日にしましょう。俺、夕食までに帰らないと封印されてしまうのですよ」  アバウトな約束だが、今から帰らないと夕食を作れない。 黒羽に何か買ってきて欲しいと頼むのもいいが、基本、食事は自分の料理がいい。
/309ページ

最初のコメントを投稿しよう!

167人が本棚に入れています
本棚に追加