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「黒羽が、世界を滅ぼしてしまうかもしれませんよ。黒羽は、菩薩を所有、
監禁している罪で満足しているだけですから」
久住は曖昧に頷くと、織田の電話を取っていた。
「では、帰ります」
近くで食材を購入して帰ろう。
俺は久住に手を振ると、車に乗り込んだ。
「明海、久住さんは、そんなに弱っているの?」
明海は助手席で丸まっていたが、目だけ開いて俺を見た。
『人は生きている限り、死に近付いている。それは変える事ができない』
「……明海の憑依が原因でしょう」
俺が指摘すると、明海が目を閉じた。
『それだけではないよ。久住は世界の真実に近づいてしまったのさ』
織田は久住を、自分の完全私界の中に留めて封印した。
でも、久住は現世に属する人で現世からの繋がりは切れない。
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