第五章 君を探すよ ニ

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「黒羽が、世界を滅ぼしてしまうかもしれませんよ。黒羽は、菩薩を所有、 監禁している罪で満足しているだけですから」  久住は曖昧に頷くと、織田の電話を取っていた。 「では、帰ります」  近くで食材を購入して帰ろう。 俺は久住に手を振ると、車に乗り込んだ。 「明海、久住さんは、そんなに弱っているの?」  明海は助手席で丸まっていたが、目だけ開いて俺を見た。 『人は生きている限り、死に近付いている。それは変える事ができない』 「……明海の憑依が原因でしょう」  俺が指摘すると、明海が目を閉じた。 『それだけではないよ。久住は世界の真実に近づいてしまったのさ』  織田は久住を、自分の完全私界の中に留めて封印した。 でも、久住は現世に属する人で現世からの繋がりは切れない。
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