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「甲斐さんと、同じ状況ですか……」
織田は、二度も愛する人を失ってしまうのだろうか。
それは、余りにも悲しすぎる。
『菩薩でしょう、どうにかしようとすれば、何か変わるかもしれないよ』
俺は黒羽の影響もあるのか、少し分かってはいる。
現世は人の世界で、俺が介入してはいけなかったのだ。
「黒羽の影響を受けているのかな、人の世界に介入はしないよ」
俺は高速道路を走ると、家の近くの駅へと向かい、レンタカーを返した。
店から歩き出すと、夕暮れになってしまった。
夕食に間に合わないと封印されてしまうので、少し焦ってきたが、明海は早く歩かない。
俺は明海を抱えようとしたが、重さがありすぎて長く持っていられない。
ジタバタしていると、後から肩を叩かれていた。
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