【1】

2/11
402人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
川村麻美(かわむらあさみ)は、胸騒ぎがしたから家中の部屋を探しながら両親を探してもいなかった。 勤務先の病院へ行こうとすると、玄関のドアが勢いよく開いた。 両親かと思い、玄関へ駆け寄ると「アンタが川村麻美ちゃん?」と笑顔で話しかけられた。 「そっ…そうですけど…?」と言うと、ジャージを着た男が「ちょっと来てもらおうか?」と言い、麻美の手首を掴むと半ば強引に玄関の外へと出され、乱暴にグレーのハイエースへと乗せられた。 麻美が「えっ?!何??何なんですか!?」と言うと「ちぃっと俺達の用事に付き合ってくれや?なっ?」と言いながら、ニヤニヤと笑っていた。 ふと麻美は右手の親指が朱色になっているのが、気になったが怖くてそれどころではなかった。 走ること三時間半。とある豪邸に到着すると、またしても乱暴に降ろされて豪邸へと連れて行かれた。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!