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麻美は誠也と買い物をしていた。 「いつもありがとうございます」と言い、麻美がお礼をすると「いいんだよ。他に何か欲しいのはないの?」と言い、車を走らせた。 麻美は本当はエアコンが欲しかったが電気代がかかると思い、扇風機が欲しいと言うと「じゃあ買いに行こう」と言い家電量販店へと向かい、扇風機を買ってくれた。 アパートに到着すると「じゃあ無理しないで、行こうね」と誠也は言い、麻美の頭を撫でると帰っていった。 麻美は扇風機をセットし、スイッチを入れた。 涼しい風が吹き付けて、この上ない幸せを感じていた。 思わず「あぁああー!!我々ハ宇宙人ダ!」と言うと、ドアをノックする音がした。 慌てて返事をすると「あっあの…俺です…」と純の声がした。 時計を見ると、出勤ちょい前だったが純はいつも10分前には迎えに来ていた。 ドアを開けると、純はアザや傷が無数あり髪の毛もボサボサだった。 「どっ…どうしたんですか?!」と言うと「ちょっと階段から転んじゃって…さぁ行きましょう…」と言いながら、純はニコッと微笑んだ。 麻美が「そっそんな…ちょっと来てください!」と言い、部屋に招き入れて救急箱を取り出すと手当をした。 「いっっつ…!」と言い、純は苦痛の顔をした。 それでも麻美は黙々と手当てをした。 麻美は将来の夢は看護師だったため、保健委員を小学4年生から高校3年生までやってきたのと看護学校へ行っていたから、それなりに手当ては得意だった。 「これでよし…と♪」と言い微笑むと、純は顔を赤らめながら「あっあ…あありがとうございますっ!」と言うと、そっぽを向きながら「下で待ってます!」と言い、走って玄関へと走って行った。 麻美は誠也の買ってくれたワンピースを着ると、扇風機を消して部屋を出た。
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