【3】

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麻美も食べ終えると「英治さん、ありがとうございました。美味しく頂きました」と言い、微笑むと「良かった♪良かった♪じゃあ下で待ってるから、着替えな」と言い、ドアを開けて出ていった。 麻美はドキドキしながら、洋服をじっくり見ていて誠也が一番褒めてくれた洋服にし、バッグにハンカチとポケットティッシュを入れるとドアを開け鍵を閉めて、英治の待っている車へと乗り込んだ。 車の中はエアコンが付いていて、気持ち良かった。 英治が「よっしゃ。いざ出発(でっぱつ)♪」と言うと、車を発進させた。 車内では談笑をした。 「えー!英治さんって27歳で、ヤクザだったんですね!」と言いながら、麻美はビックリした。 英治は「えー?普通さ、気付かないモンかねぇ?まぁあの界隈は俺のトコの組じゃねぇから、多分薗部組じゃねぇかな?」と言いながら、途中の自販機で買った炭酸飲料を飲んだ。 麻美はビクッとし、俯くと「大丈夫♪俺が守ってやっから♪」と言い、麻美の手を握った。 そのときに麻美は思い切って、何故サングラスを着けているのか聞いてみた。 英治は「んー…昔若気の至りってやつで、スナックで大喧嘩してそンときにガラスの灰皿が右目を直撃しちまって、それが原因でほとんど視力がねぇんだな」と言いながら苦笑すると、麻美が「そうだったんですね…そんなことと知らずに、ゴメンなさいっ!!」と言い、涙声になった。 英治は「アリサちゃん、君はとても魅力的な女だよ。だから、自分を大切にしないとダメだ。俺で良かったら、いつでも駆けつけるし会いに行くからここにいつでも電話しな」と言い、名刺入れから自分の組が書かれた名前と電話番号が書かれていた名刺を渡した。 麻美はその名刺を受け取ると、お財布にしまい込んで「ありがとうございます」と言い、微笑んだ。 英治は涙を指で拭い、優しく頭を撫でて微笑んだ。
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