Magical JK

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 結衣はさっそく印を結ぶと、両手を広げてモジャ先生の傷に(かざ)す。だけど、ヒーリングが失敗したことは、誰の目にも明らかだった。成功していれば、白い光の玉が出来上がる。それを傷口に当てることで傷が治癒されるのだが、そこに白い光の玉はない。そんな状況に、モジャ先生が再びニヤリと笑う。 「どうした? 全然治癒されてないぞ? ちゃんと宿題をやったんじゃないのか?」  モジャ先生がギロリと結衣を睨みつけたその時、 「うおぉぉぉぉっ!!」  と、隣の教室から雄叫びが聞こえてくる。それに続いて、大きな歓声も聞こえてくる。私達の教室も、何事かとざわめき始める。まさかまた、結衣の魔法で隣の教室の先生に何か起こったのだろうかと、私もクラスメイトもドキドキしながら廊下の方に視線を向ける。  いま隣の教室で授業をしているのは、よりによってチャビ先生だ。万が一、チャビ先生の頭に火がつき、残り少ない髪の毛が燃えてしまおうものなら、結衣は今度こそただでは済まない。チラリと教卓の方に視線を向けると、結衣が真っ青な顔で立ち尽くしている。  やがて、隣の教室からバンッと勢いよく扉が開く音が聞こえてくる。そして、私達の目に、廊下を疾走するチャビ先生の姿が映る。その瞬間、私達の教室の中にも、 「うおぉぉぉぉっ」  という歓声が沸き起こった。  チャビ先生はフサフサの髪を(なび)かせ、満面の笑顔で走っている。そのまま、私達の教室に飛び込んで来ると、モジャ先生を押しのけて教壇に立つ。     
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