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「授業を真面目に聞いてないからだよ。で、どんな罰をもらったわけ?」
「山のような宿題。来週までにやって来いって言うけど、私には絶対ムリ!!」
「でも、やるしかないんでしょう? 頑張って」
「そんなー。私を見捨てないで、穂香!!」
「見捨てるも何も、やらなきゃ仕方ないんでしょう?」
「穂香がやってくれると助かるんだけどな。穂香なら一日でチョイチョイってできるだろうし」
手伝うと言わない私に対して、結衣は開き直った様子で言う。
「どうして私がやらなきゃいけないのよ……。もう、わかったよ。手伝うからさ、一緒に頑張ろう」
「さっすが穂香様!!」
結衣はそう言うと、満面の笑みを浮かべた。
昼休み、結衣と二人で昼食を食べていると、隣のクラスの木葉美月がやってきた。美月は結衣と幼稚園の頃からの付き合いであり、いわゆる幼馴染だ。結衣との付き合いは私よりずっと長いし、結衣の性格もよく知っている。
「ねえねえ、今日モジャの頭に火をつけたの、結衣なんだって?」
美月がケラケラと笑いながら言う。
「もうバレちゃってるの!?」
結衣が驚いた表情で言うと、
「あったり前じゃん。あんな面白い話、すぐに広がるに決まってるって」
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