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絶望
.......僕の友達が、虐めを受けていた。
その子は、女の子で、『藁』という名前の子だった。
.......そして、僕の幼馴染でもある。
勿論、僕は助けようとした。
でも、その〝虐め〟は、とても悲惨なものだった。
数十人からの、殴る蹴るの繰り返し。
僕は、その光景を目の当たりにした。
そして、全身から怒りが込み上げてくるのがわかった。
僕は、家で密かに特訓をしていた成果が出たのか、全員ぶちのめすことに成功。
全員、実力はそこまでではなかった。
ハッキリ言ってしまえば、弱い。そう、弱いのだ。
ただ数で圧倒しているだけ。これが、集団虐めという奴か.......。
藁「ありがとう!」
藁は、そう言ってくれた。
僕も、ヒーローに、なれたんだ.......!
.......それが間違いだった。
アイツらは.......僕の知らないところで藁を虐めていた。
僕はそれに気付いてやれなかった。
.......そして。
休み時間、〝藁が屋上に行った〟という情報が、僕の耳に入ってきた。
全速力で屋上に行った。そこには、先生や生徒、虐めっ子.......。
そして、柵の向こう側にいる、藁の姿があった.......。
僕は、早まるなというふうに声を掛けた。
その声で、藁は僕が来たことに気付いたみたいだ。
藁は策を掴んで、こちらへくるりと体を向けた。
藁「ごめんね。」
急に藁は、謝った。
藁「祥都は.......何も悪くない。むしろ、助けてくれた.......。」
でも.......と、藁は1泊置いてからこう言った。
藁「もう、限界なんだよ.......毎日毎日、暴力暴力!
祥都以外の人は誰も助けてくれなかった!先生もそう!
見て見ぬふりも、虐めのひとつなんだよ!?何で教師になれたのかがわからない!」
そこで藁は、ふぅっ...と一息吐いた。
祥都「だ、だからって.......」
藁「ごめん.......ごめんね...。」
そう言って、彼女は.......彼女は.......
──屋上から、飛び降りたのだった──。
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