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大切な人
僕には、大切な人がいた。
藁の姉の、『佳奈』という子だ。
僕とは、同級生で幼馴染。だから、藁は僕の年下に値する。
.......佳奈は、僕の憧れだった。
小さい頃、僕を虐めから救ってくれたのは、佳奈だ。
昔から仲が良く、家族も同然だった。
.......でも。
佳奈は.......小学生の頃、つまりは.......藁が、自殺.......した、頃。
あれから佳奈は、貧弱になっていた。
目からは光を失い、入院したこともあった。
でも、高校二年生となった佳奈は、すっかり元気になっている。
目には、ちゃんと光があった。
.......しかし、貧弱なのは変わらなかった。
僕を助けてくれた時の力は、今となっては少ししか残っていなかった。
だけど。
心は、強い。
見違えるほどに。
心は、誰よりも強かった。
そんな彼女が.......
僕の、大切な人だ。
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