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どうして僕らが茨の道を辿るのか。
あなたも疑問に思っていたのかもしれない。
ずっとずっと
それが嫌だった?
僕は――。
イヤだとは思わなかった。
むしろ快感だったの。
あなたと手を取り合って辿る茨の道は
苦しくとも
痛くとも
僕にとってはね
愛そのものだったんだよ――お兄様。
夢の中みたいに笑ってくれなくてもいいんだ。
現実の僕にその資格はないから。
だけど間違ってるよ。
僕がさ、『さよなら』と言ったらさ
追いかけてきてくれなくちゃ――。
怒りや憎しみでもいいから
答えてくださらなくちゃ。
愛する人と引き離すならなおさら。
九条さんに会いたい。
迷子だよ。
僕の魂は完全に迷子だ。
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