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どうしてと問いかけるより先に
「いつからそこにいたの?なんで起こしてくれなかったのっ……!」
感情のまま僕は声を張り上げていた。
「君が起きるまで待とうかと」
「バカ!あなたは本当にバカだ!」
死んだようだった店内の客たちが
次々に重い頭を持ち上げ僕らを見やる。
「和樹……」
だけどそんなのお構いなしに
「戻ったら戻ったとすぐに言ってくれなくちゃ……!なんでのうのうと僕の寝顔なんか見てんのさ!」
僕はしがみつくように九条さんの手を握り
泣きながら
「バカ……本当に……バカ……」
ついには椅子から崩れ落ちた。
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