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それでどうなったか——。
僕は引きずられるままいつかの愛の巣へ戻った。
ベッドルームの窓からは皮肉にも
僕が今夜泊まるはずだったヴィラが見える。
「アアッ……どうしてこんなっ……!」
征司は欲望と衝動の入り混じった思春期の頃のように
衣服を剥ぎ取りカーテンさえ開けたまんま僕を裸に剥いた。
「おまえを取り戻すためさ」
抗う僕の両手首を
いとも簡単に片手で抑え込み熱い吐息が囁く。
「よく聞け、和樹――ここで再会したのは運命だ」
胸の高鳴りを重ねるように
征司は裸の胸を押し付け僕に覆い被さって言う。
「どれだけおまえが拒もうが、俺たちはほどけない運命なんだ」
征司は様子を見るように
僕の口に己の指を含ませた。
「ンンッ……」
柔らかく唇を愛撫する指先が
固く食いしばっていた僕の歯の隙間を割って
徐々に徐々に口内に侵入してくる。
悩みを抱き続ける心とは裏腹に
正直僕の身体はたったそれだけのことで
「ンッ……クッ……!」
絶頂を迎えそうなほど張り詰めた。
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