episode250 愛と愛

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そうなのか? 悪いのは僕なのか? 救えるのに救わなかった征司じゃなくて 僕なんだろうか? 言葉に詰まった僕の手を 征司から引き離したのは他でもない九条さんだった。 「僕は自首する」 「九条さん……!」 彼の声に迷いはなかった。 「自分のしてしまった事に責任を取る。だけど――」 九条さんは征司に目をやり 再び僕に視線を戻すと 「さっきと同じ状況になったら僕は何度でも同じことをするだろう」 力いっぱい 僕の身体が折れるほど抱きしめた。 「だけどそれは僕の為にすることだ」 長い指がいつもみたいに優しく僕の髪を梳く。 頭を撫で額に口づけて 「泣かないでmon petit chaton――すぐに戻るから」 そして少しずつ離れてく。
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