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 どっちにしても、気持ち悪かった。  気持ち悪かったけれど、ニコニコして彼らの機嫌を損ねないようにしていた。でも、彼らと必要以上に仲良くなろうとする努力はしなかった。だって、もし仲良くなったって、母は次には違う男を連れて来て、再び会うことなんてないんだから。  自分の名前が、嫌いだった。  でも、あの人に会って、初めて名前を呼ばれることをうれしいと思った。名前を呼ぶ声が、こんなに温かかったのは初めてだった。自分の名前が、ほんの少しだけ好きになれた。あの人から見れば、俺は自分に勝手に懐くほんの子供かもしれない。でもね、みゆき、俺は?? 「あれっ、子役使ったの?行幸にはめずらしくない?」 サー室で編集作業をしていると、万葉が画面を覗き込んで話しかけてきた。 「え、ああ、そうかな」 パソコンの画面に映されているのは行幸が撮りためたあおいの映像だった。 「どういう人脈なのかな、って。行幸が、なんか意外だったから」 「近所の子、なんだ……」 めちゃくちゃ要約すれば、そうなる。あおいとの関係を説明するのは、難しい。 「ふーん」     
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