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迎えた翌朝。
俺たちカイジン軍の本拠地であるファントム城へと辿り着く。
ファントム城は鬱蒼とした森林の中に高めの丘の上に石材で造られた城であり、城を中心とした周りを囲う高く厚い城壁。
ここまで来るのに鬱蒼とした森林をかき分けなくちゃいけないのに、更に着いたらバカ高くて分厚い城壁に丘の上にそびえ立つ城。
こりゃ攻め落とすには骨が折れるってもんだよな。
「リュウジ。この辺で大丈夫か?」
俺は鬱蒼とした森林の中から、ひときわ大きな幹から2つに枝分かれした特徴的な原木を指差しながらリュウジに聞く。
「うむ。拙者の占いでは、2つに首別れした竜に似た木の前で戦をするのが吉と出てる。」
昨日、若い兵士達が帰った後に俺達は最後の作戦会議としてタイガの発明品をどの場所で使うかで考えていた。
コレをどのタイミングで使うかで戦争の勝利が決まる鍵だ。タイミングを誤れば俺達の負けは必死だ。だからこそ使う場所を考えなくちゃいけない。
牧師のケンジがマジシャンのアスカと科学者のタイガの3人で偵察を行った時にアスカはその周りの景色を撮影したものと地図を照らし合わせた結果、複数の候補が上がり、最後にリュウジの占いでこの場所に決定した。
「確かに、この場所なら見晴らしが良いな。ちょうど城からアップダウンだから敵は攻め込む時も私達のいる所まで駆け上がらなくちゃイケナイからな。」
ケンジは丘の下を眺めながら何か納得したように頷く。
「これは、また暴れがいがありそうな戦さ場だっぺよ!ここならオラが全力出しても大丈夫そうだっぺ!!」
「ヤマトさん!それは自分も一緒っす!これで今まで戦ってきて死んでいった仲間の分まで戦い抜くんですから……」
ヤマトの元気百倍の言葉にアスカも顔を俯きがちに憂いながら頷く。
「まぁ、ヤマト君、アスカ君。思う存分暴れ回って多少ケガするのは構いませんが、お願いですから死ぬのは勘弁願いたいものですよ。傷やケガは治せても死んだら医者の僕でもお手上げですからね。」
コウタはヤマトとアスカの間に割って両方の肩を組みながら優しい顔でニコニコと笑いながら言う。
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