アルス・アマトリア4

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 ワスレナグサか、と秋也はかがんですっかり花の終わった苗を見た。  その花なら知っている。  花言葉と見事にシンクロした名を持つその草花は、植物に疎い秋也でも記憶にとどめることは難しくなかった。 「花言葉はたしか、私を忘れないでください、だったな」  知ってるんだ、と玲は微笑んだ。  秋也の口から花言葉がでてくるなんて。  今の玲には、心を癒す優しい出来事だった。
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