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「拓斗」
体中からぷんぷんとアルコールの匂いを発散させ、赤く血走った眼は不吉な色をたたえている。
ひるんだ玲は思わず一歩退がったが、それ以上退がることを拓斗は許さなかった。
腕をつかみ、ぐいとひきよせ無理やり唇を奪ってきた。
「んッ! うんんッ!」
まるで噛みつくような、荒々しいキス。
こんな事は初めてだ。
いや、その前に酔った勢いでということ自体おかしい。
明日は早いという玲の事情は、拓斗も知っているはずだ。
そのうえで夜這いに来るという無神経さも彼らしくない。
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