アルス・アマトリア4

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「拓斗」  体中からぷんぷんとアルコールの匂いを発散させ、赤く血走った眼は不吉な色をたたえている。  ひるんだ玲は思わず一歩退がったが、それ以上退がることを拓斗は許さなかった。  腕をつかみ、ぐいとひきよせ無理やり唇を奪ってきた。 「んッ! うんんッ!」  まるで噛みつくような、荒々しいキス。  こんな事は初めてだ。  いや、その前に酔った勢いでということ自体おかしい。  明日は早いという玲の事情は、拓斗も知っているはずだ。  そのうえで夜這いに来るという無神経さも彼らしくない。
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