会場限定

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会場入口一歩手前で彼女は さりげなく眼鏡を掛ける 順路に沿ってゆっくり歩く 大抵少し離れながら 時に隣り合いながら 小さな小さな声で疑問や感動を囁く 会場出口を一歩出ると彼女は いつの間にか眼鏡を外している 二つの傘がぶつからないよう僕達は もう少し大きな声で感想を話す 硝子(ガラス)の壁に眼鏡が当たり はっと我に返る彼女の姿は 僕しか知らない。
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